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浦安セグンド、歓喜の涙。地域勢で唯一の決勝T進出/PUMA CUP 2014

2014.03.09

地域勢で唯一の決勝トーナメント進出を果たしたバルドラール浦安セグンド [写真]=本田好伸

SK_PUMA CUP 2014_0309_01 9日、「PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会」の1次ラウンド3日目が行われ、14日から始まる決勝トーナメント進出チームが確定。地域勢からは唯一、関東地域第2代表のバルドラール浦安セグンドがワイルドカードでの勝ち上がりを決めた。その行方を決める一戦はし烈を極めた。

 1日目にシュライカー大阪と引き分け、2日目に中国地域代表の広島エフ・ドゥに勝利していた浦安セグンドはこの日、関西地域第2代表のあがりゃんせフットサルクラブと対戦。浦安セグンドにとって勝利が絶対条件の中で始まった試合はしかし、あがりゃんせに先行されてしまう。浦安セグンドが立ち上がりからリズムを作っていたが、8分、14分にカウンターのワンチャンスを決められて2点のビハインド。この状況に奮起した選手たちは一気に相手陣内に攻め込むと、15分に新造邦明がゴール前で冷静にゴールを奪い、1点を追い上げて前半を折り返した。

 後半に入っても浦安セグンドが攻め込み、あがりゃんせが体を張ったディフェンスで耐える展開が続いていく。それでも得点が生まれずにいると、32分に浦安セグンドのベンチが動く。GKをフィールドプレーヤーの長本大将に替え、パワープレーで逆転を狙いにいく。そして37分、その長本が決めてついに同点に追い付く。ただあと1点が欲しい浦安セグンドはパワープレーを継続し、リスクを掛けて相手ゴールに迫り続けた。そして残り24秒、決勝点が生まれる。左サイドからの折り返しにゴール前で詰めたのはキャプテンの井原智。終了間際、劇的な展開で3−2と逆転に成功した彼らは、試合終了のホイッスルとともにピッチに崩れ、そして歓喜の涙を流した。

「うれしいの一言に尽きる。それ以外ないですね。正直、泣くとは思わなかったが、勝手に(涙が)流れた。今シーズンは勝てない時期が続いて、本当に苦しいことしかなかった。それでキャプテンとして申し訳ない気持ちが強くて、そういう苦しい思いを共有してきた仲間と、次の舞台に進めた。いろんなものが、最後のゴールに集約されたのかなって」(井原)。井原だけでなく、多くの選手が、喜びを涙で表現した。地域のチームにとって、ここまでくれば、もう失うものは何もない。ただチャレンジャーとして挑むだけだ。彼らの思いは、次の舞台でどう昇華されるのだろうか。

 そしてこの日、グループAのフウガすみだと湘南ベルマーレの一戦も白熱。勝てば1位通過、もしくはワイルドカードの可能性が濃厚となるすみだの戦いに注目が集まっていた。一方の湘南は決勝トーナメントに進める可能性は極めて少なかったが、両者はともに勝利しか道が残されていない。そんな中で前半は湘南が0−2と先行して試合を折り返した。

 迎えた後半、すみだが開始わずか19秒で2ゴールを挙げてあっという間に試合は振り出しに。その後も一進一退の攻防が続いていくが、自力に勝る湘南がチャンスをものにして29分に勝ち越し、35分にリードを広げた。そして試合は残り5分、すみだは次々とハイリスクな攻撃を仕掛けて湘南ゴールに迫ったが、終了間際に1点を奪うに留まった。激闘は3−4で湘南が勝利したが、両者ともに大会を去ることになった。

 この日行われた他会場の結果を受け、浦安セグンドのワイルドカード1、バルドラール浦安のワイルドカード2での決勝トーナメント進出が決まった。セグンドの相手は王者、名古屋オーシャンズ。その試合に勝てば、浦安との“同門対決”が実現する可能性がある。地域から唯一勝ち上がった浦安セグンドが、会場を沸かす試合を見せられるか。試合は14日から16日、国立代々木競技場第一体育館(東京都)で開催される。日本一のクラブが決まるその瞬間を見逃せない。

文・写真=本田好伸

[決勝トーナメント準々決勝の組み合わせ]
2014年3月14日(金) 会場:国立代々木競技場第一体育館(東京都)
12:30 バルドラール浦安(ワイルドカード2) vs バサジィ大分(グループC1位)
14:45 ペスカドーラ町田(グループF1位) vs シュライカー大阪(グループB1位)
17:00 バルドラール浦安セグンド(ワイルドカード1) vs 名古屋オーシャンズ(グループD1位)
19:30 エスポラーダ北海道(グループE1位) vs デウソン神戸(グループA1位)

PUMA CUP 2014 第19回全日本フットサル選手権大会 1次ラウンド
2014年3月9日(日)
会場:舞洲アリーナ(大阪府)
<グループA>
10:00 フウガすみだ 3-4(0-2、3-2) 湘南ベルマーレ
12:15 デウソン神戸 9-2(4-0、5-2) プラセールフットサルクラブ
<グループB>
14:30 バルドラール浦安セグンド 3-2(1-2、2-0) あがりゃんせフットサルクラブ
16:45 シュライカー大阪 5-1(3-0、2-1) 広島エフ・ドゥ

会場:テバオーシャンアリーナ(愛知県)
<グループC>
10:00 カティオーラ・アズナ 1-12(1-4、0-8) 府中アスレティックFC
12:15 バサジィ大分 2-2(1-1、1-1) ビークス白山
<グループD>
14:30 ディヴェルティード旭川 8-1(2-0、6-1) ボルク北九州
16:45 名古屋オーシャンズ 2-0(2-0、0-0) ロボガト

会場:エコパアリーナ(静岡県)
<グループE>
14:30 エスポラーダ北海道 3-1(1-0、2-1) デリッツィア磐田
16:45 アグレミーナ浜松 3-3(1-1、2-2) カフリンガ東久留米

会場:古川総合体育館(宮城県)
<グループF>
14:30 バルドラール浦安 1-1(0-0、1-1) ペスカドーラ町田
16:45 ヴォスクオーレ仙台 0-5(0-2、0-3) SWHフットサルクラブ

<グループA順位>
1位 デウソン神戸 勝点7(+8)
2位 湘南ベルマーレ 勝点6(+4)
3位 フウガすみだ 勝点4(+13)
4位 プラセールフットサルクラブ 勝点0(-25)

<グループB順位>
1位 シュライカー大阪 勝点7(+11)
2位 バルドラール浦安セグンド 勝点7(+4)
3位 あがりゃんせフットサルクラブ 勝点3(-7)
4位 広島エフ・ドゥ 勝点0(-8)

<グループC順位>
1位 バサジィ大分 勝点7(+5)
2位 府中アスレティックFC 勝点6(+17)
3位 ビークス白山 勝点4(-2)
4位 カティオーラ・アズナ 勝点0(-20)

<グループD順位>
1位 名古屋オーシャンズ 勝点9(+21)
2位 ロボガト 勝点3(+3)
3位 ディヴェルティード旭川 勝点3(-12)
4位 ボルク北九州 勝点1(-12)

<グループE順位>
1位 エスポラーダ北海道 勝点7(+5)
2位 アグレミーナ浜松 勝点5(+3)
3位 カフリンガ東久留米 勝点2(-3)
4位 デリッツィア磐田 勝点1(-5)

<グループF順位>
1位 ペスカドーラ町田 勝点7(+5)
2位 バルドラール浦安 勝点7(+4)
3位 SWHフットサルクラブ 勝点3(±0)
4位 ヴォスクオーレ仙台 勝点0(-9)

※各グループ1位チームと、グループ2位のうち成績上位2チームが決勝トーナメントへ進出

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